たつの市御津町室津は、古くから港町として栄え、今も豊かな伝統文化と祭礼が息づいています。私は何十年にもわたり、この町の風景や人々の営みを写真に収めてきました。春の「小五月祭」、夏の「夏越祭」、秋の「八朔のひな祭り」、そして冬の大漁旗がなびく漁港の風景——それぞれの季節に、室津ならではの美しさと物語があります。しかし近年では、少子化や高齢化の影響により、祭りの担い手が減り、行事の継続が難しくなっているのが現状です。活気に満ちていた頃の賑わいが、少しずつ静かになっていく様子を、私は写真を通して見つめてきました。だからこそ、今、この瞬間を記録に残すことの大切さを感じています。写真は、過去を未来へ伝える「記憶」のかたちです。室津の歴史、文化、そして人々の想いを、写真というかたちで記録し続け、次の世代へと受け継いでいければと思っています。