Lines and Planes
山本の『線と色面』シリーズは、1976年より展開された抽象表現であり、絵画を構成する根源的要素である「線」と「色面」を主軸としている。線は単なる輪郭ではなく、多彩な色を幾重にも重ねることで独立した存在として画面上に脈動し、色面もまた重ね塗りによる深みと鮮やかさを併せ持つ。形象は具体物を連想させず、それ自体が意味から自立した独自の美を築いている。画面には中心や焦点がなく、図と地の区別も曖昧で、形象同士に序列も存在しない。こうした構成によって、山本の作品は無限に広がる視覚世界を提示しつつ、象徴や意味に依らない純粋な美の可能性を追求している。線と色面が織りなすその世界は、遊び心と哲学的深みを併せ持った、独立した芸術世界を構築している。













