Aluminum Wire
『アルミ線』シリーズは、線を平面から解放し、実際に自立させた表現を追求する試みとして1990年代後半に始まりました。彩色されたアルミ線は、墨書のように画面を走り、あるいは空間に漂う思念のように立ち現れます。初期は墨戯のような量塊として並列され、色面との関係性の中で光と影を生み出します。黒地に黒線、白地に白線といった同系色の表現も、立体だからこそ成立し、視点や光の変化によりイマージュが揺れ動く作品となっています。伝統的な日本の屏風絵を思わせる構成を持ちつつも、抽象的な立体作品として、「見ること」自体への問いを投げかけます。アルミ線の渦が浮かぶ画面は、抽象美や超越的感覚を視覚化した、現代的心象風景の表現でもあるのです。










